【遺伝子検査】クリスマス病って何？なりやすい人の特徴や治療法と早期発見につながる遺伝子検査のすすめ

12月に近づくと街はキラキラと輝きだし、そこかしこから楽しげな音楽が聞こえるようになります。
そう、待ちに待ったクリスマスの時期がやってきました。

今回はそんなクリスマスの名前がついた「クリスマス病」を紹介します。

「クリスマス病ってなに？」
「クリスマス病になりやすい人の特徴はあるの？」
「クリスマス病の治療方法が知りたい！」
そんな疑問にお答えする特集です。

さらに記事の最後では、さまざまな病気を未然に防いだり、早期発見につながる遺伝子検査についても解説します。

目次
・クリスマス病ってなに？
・クリスマス病になりやすい人の特徴
・クリスマス病の治療方法
・遺伝子検査で家族の健康を守ろう

クリスマス病ってなに？

クリスマス病は血友病のタイプの1つである、血友病Bの別名のこと。
通常血液は体内で流れていて、それが出血すると血液が固まって、その流れが止まります。
この時血液を固める役割を担うのが、血液凝固系です。
この凝固系は多くの因子が関係していて、その中の血液凝固第IX因子が遺伝的に欠損している状態を血友病Bといいます。
そしてこの血液凝固因子のIX型因がクリスマス因子です。

一番最初にこのIX因子の欠損が発見された子供の名前が「Stephen Christmas」だったことから、「クリスマス病」と名付けられたんだとか。

このクリスマス病は簡単に言うと、血液が非常に止まりにくい病気です。
症状は「重症」「中等症」「軽症」と３つに分類されています。
症状が「重症」の場合、皮下出血が手や足・お尻に現れます。
関節で何度も出血が行われると、血友病性関節症という病気を併発することも。
また、血尿や口内出血、さらには命に関わるような消化器官の出血を引き起こしてしまう可能性も少なくはありません。

「中等症」「軽症」である場合、出血することはあまりないとされています。
そのため、なんらかの手術や抜歯などの際に血が止まりにくいことに気づき、自分がクリスマス病であることが偶然発覚するケースも多いようです。

クリスマス病になりやすい人の特徴

クリスマス病は、遺伝による病気です。
そしてこのクリスマス病は基本的に男性が発症することが多い病気で、女性での発症は極めて珍しいとされています。
重症の人の場合1歳前後から症状が現れ、また、非常に珍しい病気でもあるため、小児慢性特定疾病の対象疾患にも指定されています。

クリスマス病の原因遺伝子は「F9遺伝子」です。
このF9遺伝子は血液凝固第IX因子の設計図となる遺伝子で、この遺伝子に変異があるとクリスマス病になります。

クリスマス病の治療方法

クリスマス病の治療法には

①出血時の補充療法
②予備的補充療法
③定期補充療法

といった、不足（欠乏）している血液凝固因子を注射で補う3つの方法が基本とされています。

①の出血時の補充療法は、出血した後に完全に血が止まるまで血液凝固因子を補充する治療と出血部位のケアをする治療方法です。
出血後2時間以内が望ましいとされています。

②の予備的補充療法は、運動会や旅行・遠足など、出血する恐れが高い行事の前に、血液凝固因子製剤を注射する治療法です。
事前に血液凝固因子製剤を注射することで、出血を未然に防ぐことを目的としています。
また、手術や抜歯するといった出血が予想される前にも注射を打つことがあります。

③の定期補充療法は、週に数回（または2~3週間に数回）定期的に血液凝固因子を注射する治療方法です。
血液凝固因子活性レベルを一定以上に保つために行われます。
定期的に打つことで関節内の出血を減らせ、予防にもつながるので、日常生活をよりストレスなく過ごすことが可能になります。

どちらにしてもクリスマス病は早期発見することで、最適な治療法を受けることができます。
これはクリスマス病に限った話ではありません。
日常に潜む多くの病気でも、同じことがいえます。
病気を早く発見し、早い時期から予防や治療に取り組むことで、残りの長い人生をより豊かに送ることができるのです。